この本は今年4月に増刷されたので表紙裏の著者略歴に「ー2020」となっています。この3月に新型コロナで亡くなりました。
1998年刊行の『変なおじさん』と2000年刊行の『変なおじさんリタ〜ンズ』を合本して2002年に発行された文庫です。
2,3ページほどの短い文章を連ねたエッセイ集です。
東京の東村山での生い立ち、ドリフターズの付き人に、「8時だョ!全員集合」を始めとするテレビ番組のこと、ドリフの面々ほか芸人たちのアレコレ(お笑いビッグ3についても)、コントとは?お笑いとは?
大いに楽しませてもらえます。読者が喜ぶであろうエピソードを選びに選び 面白い書きようを練りに練られているからでしょう。その苦心や腐心についても綴られている、著者のライフワークたるコントの作り込みさながらに。
軽〜いタッチなのでそのような「努力」の跡が見えないのも、彼のコントと同じです。
独身を通した(ことになった)著者。子供が欲しい願望を綴ったくだりで「もう50歳になっちゃったからなあ。子供が20歳になったら、僕は70歳だ。それもきついな」。急逝したとき、満70歳でした。
この春Stay Homeのとき、CSで再放送されていた1980年代前半の「ドリフ大爆笑」を何度も見ました。
今と比べて鮮明度が低いややぼやけ気味の画面も相まってかもしれませんが、アナログ的と言うか昭和的と言うかのつくりゆえか、ささくれ立ちがちだった気持ちに癒し効果がありました。
PTA眉ひそめる系の「下品」もた〜くさんありましたが。