ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

いつも口全開のワケ

f:id:miyashinkun:20170429095509j:plain

「赤い舌をミミズのように動かし、エサとまちがえて近づいてきた魚を食べる」ため(中田兼介『動物まるごと大図鑑 3動物のふしぎな行動』ミネルヴァ書房、2016年)。水族館では真横からなので舌は見えなかった。

 

miyashinkun.hatenablog.com

 

憲法15条

第十五条  公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
○2  すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
○3  公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
○4  すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

 

都議選が近い ということで、対象者たる身内に郵送されました。

f:id:miyashinkun:20170427081913j:plain

f:id:miyashinkun:20170427081930j:plain

新宿中村屋つながり

f:id:miyashinkun:20170423211444j:plain

 『日本最初の盲導犬』↓と ノンフィクションの大秀作『中村屋のボース』(中島岳志白水社 2005年発行)とに「つながり」が!
 『中村屋の〜』は20世紀前半インド独立運動の主導者R・B・ボース)表紙写真)の評伝ですが、彼を日本で匿ったのが 新宿中村屋の初代社長相馬愛蔵・黒光夫妻。そして、その息子相馬安雄は二代目社長で 「日本最初の盲導犬」の育成に尽力。熱いハートを持つ親子だったと言えましょう。


 イキナリ「新宿中村屋」と書きましたが、この新宿東口にある レストランにしてベーカリーが一般にどの程度知名度があるのかはワカリマセン。私は、十代の頃から「遊びに行く」と言えば新宿だったので馴染みがあります(実際に入ったことは今までに数回しかありませんけど)。こんど両作を思い浮かべながら看板メニュー 、ボーズ直伝の「インドカリー」を食べてみようかな。

 そう言えば、その近くの 今は無き大喫茶「白十字」で2ヶ月間ほどバイトもしたなあ。

miyashinkun.hatenablog.com

日本初の盲導犬

f:id:miyashinkun:20170424085721j:plain

1939年。日本最初の盲導犬は 失明した傷痍軍人に仕えた。と言うより、その時代は傷痍軍人用だけだった。

葉上太郎『日本最初の盲導犬』(文藝春秋、2009年)は、戦中戦後10年ほどの間の盲導犬たちをめぐるノンフィクション。その名は、ボド(表紙写真)、リタ、アスター、ルティ、千歳、長門、利根、フロード、セドー、シン。
今の盲導犬クイール(秋元良平『盲導犬になったクイールあすなろ書房、1993年)のようにレトリバーが主流だが、当時はシェパードの独擅場だった。

一人一人の心身を深く傷つける戦争に対する怒りが全体にわたってベースとなっています。
ワンコ党にとっては、犬の素晴らしさ、犬と暮らす素晴らしさにも改めて心打たれます。

 

miyashinkun.hatenablog.com

 

西村賢太、新作!

f:id:miyashinkun:20170423213015j:plain

芝公園六角堂跡』。先月発刊、西村賢太の新作短編集です。

氏の本にしては珍しく一か月ほども図書館予約待ち。氏はエッセイで 図書館利用の読者に罵詈雑言を浴びせているにかかわらず、全作読んでいる私は一冊も買っていません。それこそ氏のファンらしい と自任する次第!?

いつもながらの(と言うか 知る人ぞ知る、と言うより 知っている人だけ知っている^^;)北町貫多(≒西村賢太)主人公の私小説なるも
いつもながらの(と言うか〜以下略)テイストとはチト違い
全4編、バイオレンス(とのカタカナ言葉のような上等なシロモノではないが)皆無で
小説を「何んの為に書いているのか」(原文ママ)をツラツラ自問し続ける「静かな」展開。出色の出来と思しき4編目の ラストで、その「答」に至ります。
そこはかとないユーモア(と言うほど、これまた上品ではないが)と文章のテンポ良さは、いつもながら♪

 

miyashinkun.hatenablog.com

 

見たの初めて!

f:id:miyashinkun:20170422120226j:plain

 

クジャクの羽開き、初めてナマで見ました。

どうせ今日もダメだろうとまるで期待していなかったのですが

突如「ガア゛」とひと鳴きしながら全開♬ @相模原麻溝公園「ふれあい動物広場」

 

クジャクって鳴くのですね。存外 およそ美しい声ではなかったけど。

 

 

 

何ごとも「ウラ側」は見ないほうがいいようで、、、 

f:id:miyashinkun:20170422120816j:plain

 

主語は「わたしたち」

f:id:miyashinkun:20170421092500j:plain

ジュリー・オオツカ『屋根裏の仏さま』。2016年発行(原著は2011年)。

米国に移民した男性の元へ「見合い写真」だけを頼りに日本から嫁いで行った20世紀初頭から 1941年12月「真珠湾攻撃」後までの、「わたしたち」の苦難の日々が綴られた中編小説です。
真珠湾攻撃」とまで書けば ラストは「日系人強制収容」と書いてもいわゆるネタバレにはなりますまい。そもそも本作はネタバレ云々とは次元が異なる作品と言えます。
一人一人は個性を持った別個の人間であるのを示す出来事を数多並べながら、あたかも無個性の「塊」かのように「日系人」女性として歴史に政治に社会にそして戦争に翻弄されたことを表すのに、全編を通しての主語「わたしたち」が効いています。

彼女たちが何に直面し、何を思ったかは、実際の体験談に基づいている とのこと(巻末「謝辞」「訳者あとがき」)。

f:id:miyashinkun:20170421092703j:plain

 

映画「終の信託」(周防正行監督 2012年公開)


現実の事件に材を取り、重症喘息患者の尊厳死安楽死をめぐるストーリーです。
実はワタシ成人してから喘息で少々苦しんだ時期があり
日頃はしていることを意識すらするハズもない呼吸を
一生懸命しなければならないほどの体験を何度も。
ワタシは軽度だったとは言え多少なりとも身につまされた、も含めて
とても見応えがありました。
患者役はサスガの役所広司
大沢たかおが、とてつもなく頭がよくてかつそれを自覚し(すぎ)ている検事を印象深い好演。
担当医の草刈民代も熱演でしたが、、、正直もっともっと上手く演じる女優はいるだろうなあと。

彼女のようなヒトに測られたら脈拍や血圧上がっちゃうだろうなあ(^^;)。調整係数みたいなモノあるのかしら???

アカデミー賞作品賞「ムーンライト」

観た。想像力と考察力が求められる作品だった。およそ映画というものは大抵 そうであろうが、とりわけ!

アフリカ系アメリカ人が主人公。前半が幼年期、中盤が少年期、後半が青年期。
タイトルたる「ムーンライト」が所々でキーになっている。前半ではセリフとして、中盤ではシーンの「背景」として、後半では「映像」(月そのものの映像に非ず)として。

観た同士で語り合いたくなる作品でもあった。あとからジワジワくるよ。

ワンコ本 私的No. 1

f:id:miyashinkun:20170406101637j:plain


著者の飼い犬をめぐるエッセイ『犬心』(文藝春秋社、2013年)。
主役はシェパード犬のタケ、準主役が著者およびパピヨン犬のニコとルイ、脇役が著者の家族とその他動物たち。

犬と暮らす素晴らしさと大変さが機微に至るまで描かれている。現代詩の世界で知られる詩人ならではの、素敵な観察眼と表現力で。あ、(私が彼女の詩を読んでチンプンカンプンな)メタファーとかは無し(しいて言えば表紙イラストのタケ・・・シェパードには見えないよね^^;)。読みながらクスッとしたりホロリとさせられたり。
犬を飼っていたり飼ったことがある方にはとりわけ!と思う(私も含めて)。一つだけ引用すると・・・著者が1か月の旅から帰りドアを開けると「『おかあさんのいない間、ずっとこのドアの前で待ってましたよ』という風情のニコ」。ね、それってあるある!でしょう!?

並行して書き込まれているのが、米国に住む著者の 究極の遠距離介護。それができ得たのは(それがギリギリ可能な父親の健康状態だったことも確かだが)父親と「同居」するルイの「おかげ」だった。

いたずらに擬人化することなく犬を犬として真摯に生き物に向き合う著者のスタンスに感服!!

miyashinkun.hatenablog.com

伊藤比呂美『ラニーニャ』

f:id:miyashinkun:20170404121153j:plain


著者は現代詩の世界で知られる詩人。本書では、1998年から2001年までに発表された小説3編が収められています。

表紙は、メキシコとの国境付近にあるアメリカ 道路標識のイメージ。ネットでちょいと調べてみたら 似た実物は確かにあるようだ(今現在もあるかは分からなかった)。
道路に飛び出して来る不法移民に注意するように!との標識で、収録作『スリー・りろ・ジャパニーズ』(「りろ」=リトル)に出てくる。西洋人から非西洋人は標識のイラスト「のように」見え、3人の日本人(=非西洋人)が「そう」見えた、がこの作のキーになっている。
「トランプ現象」の昨今、計らずもいみじくもタイムリーな作になり得ているとも思った。

前世紀末に米国に合法移民した著者は「(911)以前と以降とでは、アメリカは本当に変わりました。その変化は不可逆的で、以前あった大らかさや夢は(そんなもの、ほんとうはなかったかもしれないけど)、もうない」と2016年4月付の「あとがき」で書く。
すなわち、新大統領が「変えた」わけではない ということか。

・・・と書くといわゆる社会派作品に思われるかもしれませんが、さにあらず 気象用語たるタイトルの表題作他1編は私小説、『スリー〜』は私小説風 の趣です。