ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

京都東福寺のもみじ 落ち葉が多し それもまた良し

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地元の人の話では、雨風の強い日があって紅葉がたくさん散ってしまったとのこと。そのぶん分厚い「絨毯」ができていました。

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奈良↓からの帰り道、JR奈良線東福寺駅で途中下車しました。

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もみじ散る 主待つ犬が 大あくび

紅葉散る 主待つ犬が 大あくび
(「主」は「ぬし」と読んでください。)

 今日スーパーの前でお座りして、飼い主さんの買い物を待っている(のであろう)犬が大あくびしていました。

 その犬種はコーギーでした。そう言えばウチで飼っていたコーギーもよく大あくびをしていたものです。どんな気持ちだったのかな?

 ウチのコーギー

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 愛犬家の直木賞作家によるコーギー登場作↓

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映画「相撲道」

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 稽古場と本場所で、至近距離で撮られた150~200㎏(言うまでもなく脂肪だけの塊ではない)超大男同士のぶつかり合い。大画面と大音量の映画館で観るに相応しいと言えましょう。

 密着したのは境川部屋高田川部屋。坂田栄治監督が『月刊大相撲ジャーナル』でのインタビューで「稽古場の空気が恐ろしかった」と述べているほどに厳しい境川部屋に対して、高田川部屋は全く異なる雰囲気。坂田監督は「2つの部屋の違いをぜひ見てほしい」。

    高田川部屋でクローズアップされたのが、今場所中盤過ぎまで幕内優勝争いに加わっていた竜電です。大けがを負って関取から番付表最下段の序ノ口まで陥落しながら復活した並々ならぬ根性の持ち主と思いますが、受け応えする姿からとても穏やかな人柄が感じ取れました。ファンになっちゃいそう。

    竜電という四股名は「史上最強力士」雷電↓にあやかっているのかな?

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やっぱりプライバシーの侵害では?

   芸能人やスポーツ選手の不倫が週刊誌に暴かれて謹慎やら自粛やらに「追い込まれる」出来事が相次いでいますね。暴かれたことそのものは文字通り倫理に反する行動ですが、言うまでもなく刑法犯罪ではありません。


   ちょっと思ったのですが、暴かれた人どなたか民事訴訟を提起していっぺん裁判所の判断を求めてみたら如何でしょうか。

   「プライバシーを暴くという不法行為の結果としてスポンサーその他への賠償という経済的損害を被った」という構成で(根拠法規は憲法13条と民法709条)。

   プライバシー侵害による精神的損害の判例や裁判例はありますが※、経済的損害を請求するのは初めての裁判になるのではないでしょうか。


   まあ「裁判沙汰」になんかしたらよけい「ダメージ」を負ってしまうだろうからできないわね。

   「肉を切らせて骨を断つ」で!と言いたいところだけど。


三島由紀夫の小説「宴のあと」事件、伊佐千尋のノンフィクション「逆転」事件、柳美里の小説「石に泳ぐ魚」事件

「お気持ち」を読んで、「傘がない」を

www.tokyo-np.co.jp

ふと 井上陽水「傘がない」の歌詞を思い出しました。

 

↓去年大ヒットした映画「天気の子」を観たときに「傘がない」を思い出したことも思い出しました。 

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柿実るサッカーびとの声響く

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柿実る サッカーびとの 声響く

五輪真弓の歌詞「マラソンびと」↓に倣って「(スポーツをしている)~びと」といっぺん言ってみたかった。)

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「デフ・ヴォイス」シリーズのスピンオフ

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「デフ・ヴォイス」シリーズの名脇役何森稔刑事が主人公の短編集。丸山正樹著、東京創元社、2020年発行。

「デフ・ヴォイス」↓ではろう者が直面する社会状況が描かれますが、

本作では肢体不自由者、供述弱者、記憶喪失者が直面する状況がミステリー仕立てで描かれています。 

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映画「浅田家!」 久しぶりの劇場空気感

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    隣の席はアラフォーぐらいの女性だったが、中盤過ぎから絶えずハンカチで涙を拭っていた。という空気感、久しぶり。それは、家でDVDや配信を見ていても(たとえ超大画面やら何やらを備えても)絶対に得られない。私が映画を劇場で見るのは2月以来である。

    私自身も何度もウルウル(そしてクスッ)。まさにそういう作品だった。主演二宮和也

 

    実在の写真家、浅田政志。彼の幼少期から40歳になった昨年までが描かれた。

    政志は父母と兄との四人家族。政志にとって家族は、家族にとって政志は、かけがえのない存在であり続ける。政志がデタラメな生活を送っていたときもフヌケになったときも、いつでも。

 

    自分の家族がそうだったからこそ。彼がライフワークとして全国各地からの求めに応じて撮る家族写真はどれも「その家族らしさ」が溢れ出ている。2011東日本大震災の被災者家族も、であった。

 

    主夫の父、浅田家の「大黒柱」母、「なりたい自分になったのは浅田家の中で弟だけ。家族のみんなを巻き込みながら」と呟く兄。平田満風吹ジュン妻夫木聡がそれぞれに好演している。

    「隣席のハンカチ」が始まったその中盤は政志の木村伊兵衛写真賞が決まって恋人がひとり静かに喜びを噛みしめるシーンだが、演じるのは流石の黒木華だった。

 

    素晴らしい佳作だった。それならば傑作と言うべきでは?と思われるかもしれないが、傑作あるいは秀作とまで賞賛するのは些か躊躇する。だけど、ただ佳作ではなにか言い足りない。素晴らしい佳作、是非そう言いたくなる作品だった。

 

    ラストが浅田家らしい楽しいオチ。まるで政志が撮る家族写真(↓ 2010年発刊)のようだった。

 

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家族にとっての寅さんも↓ 

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小川さやか『チョンキンマンションのボスは知っている』(今年度大宅壮一ノンフィクション賞)

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  2019年発行。河合隼雄文芸賞も受賞した。著者は文化人類学者で、立命館大学大学院教授である。

 

  香港の地で、綱渡り的でもあるいろいろな商いを行うタンザニア人たちに食い込んだノンフィクション。いま「食い込んだ」と書いたが、「いろいろ」の中にはあるであろう非合法には立ち入らない身のこなしを彼ら彼女らに倣って著者は体得する。つまりはそれほどに食い込んだからこその、読み応え。

  件のタンザニア人たちの生き方は現代日本人にとっても示唆深いのでは?と著者は考察を進める。

 

  とりわけ密着する「ボス」(顔写真)が主に手掛けるのは中古車の売買。買い付けに来たアフリカ人に中古車を斡旋するばかりでなく物心両面にわたって至れり尽くせりの世話もするのだが、そうしたやり方そのものに対して少々驚きすぎでは?と思わないでもなかった。

  およそ商いは顧客が欲する品を納入するだけで済むものではない。情報提供から接待まで諸々の「至れり尽くせり」があって初めて取引が成る。それはごくふつうのことある。

  著者は「ボス」らの仕事を「(お互いに馴染みのないアフリカ系顧客と中古車業者の間の)『信用』を肩代わりすることで、『手数料』『マージン』をかすめとる仕事」といった書き方もするが、「信用の肩代わり」自体もふつうのことである商いの世界でマージンを「かすめとる」などとは言わないであろう。

  「ボス」らの場合はやり方の一つ一つがユニークであるし、異国の地でしかも徒手空拳で生き抜くという要素がきわめて大きいのはもちろんだが。

 

  「ボス」らの本国では生計が立てられる安定的な職が乏しいのだということにもあらためて思いを馳せさせられた。

#小川さやか

#チョンキンマンションのボスは知っている